青森県で創業120周年を迎え、東北を代表するインフラ整備を支え続ける株式会社柏崎組(以下、柏崎組)。道路工事や橋梁、公共施設の建設など、地域に根ざした建設会社として確固たる地位を築いてきた同社が、近年、DX推進に積極的に取り組んでいます。
今回は、「GENBAx点検」を導入してから約1年の成果と、安全点検業務のペーパーレス化がどのように青森の建設現場に浸透していったかを、土木部長の佐藤様と土木部主任の上村様に詳しく伺いました。
インタビュー参加者 |
| ・インタビューを受けていただいた方 【柏崎組】 佐藤様(土木部長):入社36年目。20数名の土木職員を統括し、安全管理・品質管理・工程管理を担当。 【柏崎組】 上村様(土木部主任):入社9年目。現場監督として安全・品質・工程管理を担当。「GENBAx点検」を現場に導入。・インタビュアー 【SORABITO】 阿部(GENBAx点検 事業部長):「GENBAx点検」の事業部長・担当として、導入から運用まで一貫サポート。 |
株式会社柏崎組と皆さまの役割について

青森県で120年。地域を支えてこられた御社について教えてください
佐藤様:弊社は青森県で道路工事、橋梁、公共施設といったインフラ整備を担う建設会社です。1903年(明治36年)創業で、青森県では2番目に古い会社と聞いています。長年にわたって東北の建設事業に携わってきました。私は土木部長として、20数名の土木職員を統括しています。入社から36年になりますが、現場経験を活かして安全管理・品質管理・工程管理が円滑に進むよう全体を見ています。
上村様:私は入社9年目で、土木部の主任として現場監督を務めています。安全管理や品質管理、工程管理が主な仕事です。「GENBAx点検」については、最初に利用した現場を担当したのが私で、そこから社内展開につながっていきました。
貴社のDX推進の状況と、デジタル化を進めるようになったきっかけ

国土交通省の工事も手がける建設会社として、どのようにDX推進を進めてきたのですか?
佐藤様:国土交通省の工事ではICT施工を実施しており、直近ではレーザースキャナー機器も導入しました。若手の職員がどう活用するか、今まさに計画中です。社内全体でもペーパーレス化を進めていて、会議資料や完成書類のデジタル化をサーバーやクラウドで管理するようになってきています。
上村様:私が入社した頃は、発注者とのやり取りもほとんど紙でしたが、2〜3年目くらいから電子的なやり取りが増えてきたと感じています。時代の変化に合わせて自然と変わってきた部分もありますね。
佐藤様:弊社は「やろう!」と決めたらスピーディに動く会社です。社長も現場からの意見を大切にしていますので、現場が「やりたい!」と言えば比較的すんなりと動き始めることができます。上からの指示を待つのではなく、現場発で取り組みが生まれていくスタイルです。それが、青森・東北の建設会社としては早い段階でのDX推進につながっていると思います。
「GENBAx点検」導入前の安全点検の実施内容と課題
点検表がバラバラ、月末は書類の山。導入前の現場はどのような状況だったのですか?
佐藤様:導入前は、統一された点検表というものがなかったんです。協力会社がそれぞれ独自の点検項目を持ち寄るスタイルで、現場ごとに点検表がバラバラでした。これでは安全管理の品質にも差が出てしまいますし、何より記録として整理しにくい。様式を統一して、きちんとした記録を残せる仕組みにしたいという気持ちはずっとありました。
上村様:現場を管理する側としては、月末に紙の点検表を回収して、ファイリングして、スキャンしてデータ保存するという一連の作業が本当に手間でした。また、協力会社の提出状況の確認や回収対応、書類の整理に時間を要することもあり、業務負担が大きくなっていました。
佐藤様:安全パトロールのチェックリストについても、担当者が高齢のケースでは、せっかく作成したリストがなかなか活用されないという現実もありました。青森の建設現場は、そういった年齢構成の課題も含めて、デジタル化をどう現場に定着させるかが一つのテーマになっていました。
「GENBAx点検」を知ったきっかけと、導入を決めた背景・決め手
なぜ「GENBAx点検」を選んだのですか?導入決定までの流れも教えてください
佐藤様:以前からSORABITOさんとのご縁があり、昨年のプレスリリース等を通じて「GENBAx点検」の存在を知りました。「まずやってみよう」という流れで、社長に直接話をしたところ、すぐに「やってみよう」とGOが出ました。弊社は先進的な取り組みに対してスピード感がある会社ですので、社内承認の手続きで苦労したという感覚はほとんどありません。費用対効果が見込める、あるいは効率化・省人化につながるものであれば、比較的スムーズに承認が通ります。
上村様:私のほうは、「これで点検様式が統一できる、月末の作業も楽になる」という期待が大きかったです。実際に使ってみて、QRを現場に掲示して、作業員さんがスマホで読み込んでチェックするだけという流れがとてもシンプルで。「これなら現場に定着する」と感じました。
佐藤様:決め手は、ペーパーレス化と点検様式の統一が一度に実現できることと、操作がシンプルだという点です。デジタルツールを入れても現場で使われなければ意味がない。「現場の人間が使いやすいと言えるか」が、導入を判断する上で一番大切なポイントでした。

活用されている機能と現場での運用方法について

QRを貼り、スマホでチェック。どのように現場に浸透させていったのですか?
上村様:まずは現場にQRを貼り付けて、協力会社の担当者にスマホの画面を見せながら説明しました。「このQRを読んで、項目をチェックするだけですよ」という感じで、一人ひとり丁寧に案内しました。30名規模の勉強会にも参加し、そこでアプリの使い方を理解してもらえたことで、各現場の担当者が自分で協力会社に説明できるようになっていきました。独自のマニュアルは作っていなくて、「GENBAx点検」のヘルプページを見せれば大体のことは解決できました。
佐藤様:点検の実施状況は管理画面から確認できます。誰が実施して誰が未実施なのかが一目でわかるので、抜け漏れの防止になっています。点検表自体は発注者に提出するものではありませんが、万が一の際に記録として活用できるよう、PDFで整理して保管しています。
上村様:協力会社の担当者が変わったときも、現場の私が直接スマホ画面を見せながら説明すれば、だいたいすぐに覚えてもらえます。トライアルを経て現場に導入してから約1か月で、点検の流れが定着しました。
導入後の変化や効果について

月末の書類作業がなくなり、役所からも評価。「GENBAx点検」がもたらした成果とは?
上村様:一番大きいのは、月末の紙のファイリング作業がまるごとなくなったことです。以前は紙の点検表を集めてファイルに綴じてスキャンして……という作業をしていたのが、今はパソコンでPDFとして整理するだけで終わります。体感的に、月末の事務作業が大幅に減りました。
佐藤様:それから、役所の担当者が現場に来たときに、QRを使った点検の仕組みを見て「すごいですね」と言ってくれることがあります。国土交通省の工事を請け負う建設会社として、DX推進を目に見えるかたちでアピールできているのは意味があることだと感じています。地元(青森県や東北地方)では、こういった取り組みを積極的に進めている建設会社はまだ多くありませんから、差別化にもつながっています。
上村様:以前は「点検表を受け取っていないからやらなかった」なんて言い訳が通ったこともあったんですが(笑)、デジタルになってからはそれが通じない。確実に記録として残るので、安全点検の信頼性が上がったと思います。
社内承認の進め方について
稟議の流れや、現場を巻き込んでいく上で意識されたことを教えてください
佐藤様:弊社の場合、こういった取り組みは現場からの声が起点になることが多いです。今回も「ペーパーレスで点検を管理できるツールを使ってみたい」という現場の意見を受けて、社長に直接話したところすぐにGOが出ました。金額的な規模感にもよりますが、現場の効率化や省人化につながるものであれば、比較的スムーズに承認が通ります。「まずやってみる」という風土が根付いているので、1現場でトライアルして効果が出てから全社展開するという流れにも持っていきやすいです。
上村様:私が最初に使った現場での評判が他の担当者にも伝わり、「上村さんがいいと言っているなら使ってみよう」という感じで広がっていきました。数字やデータで効果を説明するより、現場同士の口コミのほうが説得力があるんだと思います。
導入後に気づかれたことや社内・協力会社からの反応
初期設定の苦労、年齢層による温度差、役所担当者の反応とは?
上村様:点検の実施自体はシンプルで誰でもすぐに使えるんですが、最初の点検様式を作るのが一番大変でした。アセット(点検項目リスト)を一から作らないといけなくて、特に舗装工事で使うアスファルトフィニッシャーといった重機はプリセットがなかったので、項目を手動で追加していく作業が正直しんどかったです。一度作ってしまえばその後は楽になるんですが、工期が短い舗装工事の現場では、その初期設定がネックになるケースもあります。
佐藤様:現場や協力会社の担当者の年齢層によって、デジタルツールへの慣れに差が出るのは正直なところです。若い職員がいる現場では比較的すんなり定着しますが、ベテランの担当者が多い現場ではまだ紙が中心というところもあります。ただ、勉強会への参加をきっかけに使い始めた担当者が、今では他の人に使い方を教えるようになったケースもあって、少しずつ広がってきています。
上村様:役所の担当者からは「デジタルで点検管理をしているんですか」という驚きの声をいただいています。建設会社としての取り組みの姿勢を評価していただけるのはうれしいですし、現場でのDX推進が対外的にも評価されていると実感しています。
今後の「GENBAx点検」の活用方法と期待する機能
日報・KY活動・運転日報のデジタル化など、さらなる活用に向けた展望は?
佐藤様:点検業務での活用が定着してきたので、次は日報やKY(危険予知)活動へのデジタル化を考えています。今は弊社の全社員が使用する車両の運転日報がまだ紙ベースで、「どこに行ったか」「走行距離」「アルコールチェック」などを手書きで記録しています。こういったものも「GENBAx点検」と同じ仕組みでデジタル化できれば、青森の建設現場におけるペーパーレス化がさらに進むと思っています。
上村様:現場サイドとしては、既存の点検フォーマット(PDFやExcel)を読み込むだけで「GENBAx点検」上に同じフォームが自動で作成される機能があれば助かります。毎回一から入力していくのは時間がかかるので。OCRなどの技術でそれが実現できれば、初期設定の手間がぐっと下がって、もっと多くの現場で使いやすくなると思います。
佐藤様:あとは現場監督と協力会社の間で、危険箇所の写真を手軽に共有できるようなコミュニケーション機能があると便利ですね。東北・青森の建設現場では初対面の作業員と一緒に働くことも多いので、現場に特化した連絡ツールがあれば安全管理のレベルが一段上がると思っています。LINEWORKSとの連携についても、これから積極的に活用していきたいです。
「GENBAx点検」を活用する上でのお役立ちTIPS
| TIPS①LINEWORKS連携で点検実施率をアップ |
| 「GENBAx点検」はLINEWORKSと連携ができるので、ぜひ使っていただきたい機能です。点検が未実施の場合に担当者のチャットへ自動通知を送れるので、メールよりも気づいてもらいやすいんです。実際に点検実施率が上がった現場の声もいただいています。
個人のLINEアカウントで現場のグループに参加できますので、現場監督さんと協力会社さんとの連絡もスムーズになります! |
| TIPS②プリセットの拡充はサポートチームへ相談を |
| 舗装工事で使う特殊な重機など、標準プリセットに入っていない項目があればお気軽にご相談ください!
お客さまからのご要望をもとに随時追加していますので、「これ対応できる?」くらいの感覚で声をかけていただければ大丈夫です。 |
| TIPS③ほぼ毎週のアップデートをチェック |
| 機能のアップデートはほぼ毎週行っています!
PC版の「お知らせ」とヘルプサイトで確認できますので、たまにチェックしていただけると便利な新機能を見逃さずに使っていただけると思います。ぜひ定期的に見ていただけると! |
編集後記
今回のインタビューで印象的だったのは、創業120年余という長い歴史を持ちながらも、柔軟に時代の変化を受け入れる御社の組織文化でした。「まずやってみる」という言葉が何度も出てきましたが、それはスローガンではなく、日々の現場で実践されている行動指針だと感じました。
安全点検のペーパーレス化は「紙がなくなる」だけではありません。点検様式の統一・管理の一元化・抜け漏れの防止・国土交通省発注工事での評価向上など、多くの効果が積み重なっています。青森・東北の建設会社で「DX推進担当者がいない」「何から始めればいいかわからない」という声をよく耳にしますが、今回の事例はその答えの一つを示してくれています。
現場の人間が「使いやすい」と言えるツールを選び、一つの現場から始めて実績を積み上げ、口コミで広げていく。このシンプルな進め方が、安全点検のデジタル化を確実に根付かせるのだと改めて実感しました。「GENBAx点検」は、青森・東北の建設会社でDX推進に取り組む皆さまを全力でサポートします。
柏崎組企業プロフィール
社名:株式会社 柏崎組
代表者:代表取締役社長 柏崎 尚久
本店所在地:青森県上北郡おいらせ町立蛇71番地
創業:1903年10月
URL:https://www.kashiwazakigumi.co.jp/
