宮崎県都城市に拠点を置く株式会社新地建設工業(以下、新地建設工業)は、地域のインフラ整備から再生可能エネルギー事業まで幅広く手掛けています。同社は、建設業界が直面する「2024年問題」や深刻な人手不足に対し、デジタル技術を積極的に活用することで、生産性向上と現場の安全管理強化を両立しています。
今回インタビューにご協力いただいたのは、代表取締役である新地様と、安全管理部でDXを推進する外枦保(そとへぼ)様のお二方。導入の経緯や現場での変化、そして今後の展望について詳しくお話を伺いました。
「GENBAx点検」導入の背景には、単なる効率化だけでなく、「社員が本来の仕事に集中できる環境を作りたい」という社長の強い想いが込められているということを伺えました。
はじめに、お2人の直近の業務について教えてください。
新地様:私は社長に就任して10年目になります。現在、会社としての業績は非常に順調に推移していますが、経営者として最も大きな課題だと感じているのは「人材不足」です。特に、現場を統括する管理者の不足は深刻です。これまでの建設業界では、通常の作業員から経験を積んで管理者へとステップアップするのが一般的でしたが、そのハードルは年々高くなっています。人の能力には限界があり、管理者に過度な負担がかかると、本来の役割を果たせなくなってしまいます。
私の役割は、資格を持つ管理者が事務作業に追われるのではなく、「現場をしっかりと見る」という監督本来の姿に立ち返れるような仕組みを作ることです。そのためには、AIやデジタル技術を活用して現場や管理の負担をいかに軽減できるかが、今後会社が成長していくための重要な基盤になると考えています。
外枦保様:私は安全管理部に所属しており、現場の安全巡回や管理体制の強化を担当しています。また、社内のDX推進役として、デジタルツールの選定や現場への落とし込みも行っています。現場ではこれまで、多くの書類や点検表が紙で運用されてきましたが、それをいかにデジタル化し、効率的かつ確実に管理できるかを日々模索しています。元請け企業への書類提出作業なども含め、「管理のしやすさ」と「スピード感」を追求することが私のミッションです。
「GENBAx点検」を知ったきっかけと導入の背景
新地様:きっかけは、2025年に開催された「九州 建設開発総合展」でした。そこで「GENBAx点検」の展示を見て、自社が掲げる「建設DXの推進」という方針に合致すると感じました。新地建設工業では、SDGsの達成に貢献するため、遠隔操縦式の草刈機や測量用ドローンの導入など、IT技術を積極的に活用しています。その一環として、現場の安全点検業務を効率化し、クラウドサービスによるペーパーレス化をさらに加速させたいという思いがありました。
外枦保様:導入前は、元請け企業が指定するDXツールを使用することもありました。しかし、タブレットなどのデバイスで操作するには動作が重く感じたり、使い勝手の面で現場に馴染みにくい部分があったりしました。また、これまでは車両の始業前点検や安全パトロールの結果を紙の帳票に記入し、それを後から事務所でまとめ直すという作業が発生していました。「GENBAx点検」であれば、スマホ一つで完結でき、重機点検や日常点検、持ち込み機械の状況が一目でわかるようになると期待して導入を決めました。
「GENBAx点検」を導入の際、苦労したことはありましたか?
外枦保様:まず、社内の5つの現場を対象にトライアルを開始し、その後「全部入れてみよう」という意気込みでスタートしました。導入当初、最も苦労したのは現場の意識改革です。
一部の現場からは「途中までは入力したけれど、やっぱり紙に書いたほうが早い」という声が上がったこともありましたね・・・
長年、紙の点検表に慣れ親しんできた職人さんや監督にとって、新たにスマホ操作に切り替えることは、一時的に「手間が増えた」と感じさせてしまう側面があります。
新地様:デジタル化の初期段階では避けられない反応ですが、そこをどう乗り越えるかが重要です。私たちは、QRを機械や掲示物に貼り付け、スマホで読み取るだけでログインや点検が始められる「GENBAx点検」の利便性を強調しました。アカウント作成の手間を省き、「現場で完結する」というメリットを地道に伝えていくことで、徐々に現場の理解を得ていくことができました。

「GENBAx点検」を使っていく上で今後の課題はありますか?
新地様:今の段階では「紙をデジタルに置き換える」というフェーズはクリアしつつありますが、これからは「点検の質」をより追求していきたいと考えています。ただ入力するだけでなく、点検項目を通じて現場の危険をどれだけ的確に察知できているか。また、管理者がその結果をどのようにフィードバックし、事故防止に繋げているかという運用面での深化が課題です。
外枦保様:管理体制の面では、現場の作業員から管理者へと昇進するプロセスをよりスムーズにする仕組み作りも必要です。「GENBAx点検」によって事務作業が軽減された分、空いた時間を若手の教育や、より高度な安全管理業務に充てられるような体制を構築していきたいですね。人の限界に頼るのではなく、ツールが人をサポートする形を理想としています。
「GENBAx点検」の導入効果や、導入されて新たに気づいたことはありましたか?
外枦保様:最も大きな効果を感じているのは、安全パトロールの手間が劇的に削減されたことです。これまでは、現場で撮影した写真を事務所に持ち帰り、パソコンに取り込んで報告書を作成するという流れでしたが、今では現場でスマホから入力・登録するだけで完了します。元請け企業への提出も、クラウド上のフォルダに必要なデータを入れるだけなので、非常にスムーズになりました。社内での評判も良く、「楽になった」「管理しやすい」という声が増えています。
新地様:「リアルタイム性」の重要さにも改めて気づかされましたね。
「GENBAx点検」では、スマホで登録された点検結果が即座に管理画面に反映されます。誰がいつ点検を行ったか、異常はなかったかが一目で可視化されるため、点検表の回収を待つ必要がありません。
また、ペーパーレス化によって現場事務所のスペースもスッキリし、資料の検索性も向上しました。何より、現場監督が事務作業から解放されつつあることは、経営者として非常に大きな成果だと感じています。

「GENBAx点検」に追加して欲しい機能があれば、教えてください
外枦保様:現在、KY(危険予知)活動の機能などがアップデートされる予定だと伺っていますが、そうした現場の基本動作に関わる機能がさらに充実することを期待していますね。
現場の状況は日々刻々と変化します。例えば、天候の急変に伴う特別点検のアラート機能や、協力会社の方たちとのコミュニケーションをより円滑にする掲示板のような機能があると、現場の司令塔としてさらに使い勝手が良くなると感じています。
新地様:将来的には、点検データとAIを連携させ、過去の不具合事例から故障の予兆を検知したり、事故の発生リスクを予測したりするような機能があれば面白いですね。「守りの点検」から「攻めの安全管理」へと進化させていくためのパートナーとして、さらなる技術革新を期待しています。
「GENBAx点検」を活用して、取り組みたいことや展望があれば教えてください
新地様:私たちは「地域と共に未来を築く」というミッションを掲げています。そのためには、まず自社が持続可能な組織であり続けなければなりません。AIやデジタルツールを活用し、「本来の仕事ができる環境」を整えることは人材不足解消の鍵であり、会社の成長に直結します。今後も「GENBAx点検」の活用範囲を広げ、現場のデジタル化をさらに突き詰めていくことで、地域で最も信頼される「次世代の建設会社」を目指していきます。
外枦保様:安全管理部としては、このツールを使い倒すことで、現場の安全基準をもう一段階引き上げたいと考えています。点検作業を「やらされる仕事」から、現場を守るための「価値あるアクション」へと変えていく。
そのためにも、点検結果の蓄積・分析を行い、具体的な施工改善に繋げる取り組みを進めていきたいです。新地建設工業の施工現場が、常に「最もスマートで安全な現場」であるように、DXをさらに加速させていきます。

インタビューを通じて印象的だったのは、新地社長の「人の限界がくる前に、仕組みを整える」という言葉です。建設業界全体が大きな転換期を迎える中、新地建設工業のように「現場目線」と「経営視点」の両輪でデジタル化を推進する企業こそが、未来のインフラを支えていくのだと感じました。
それを支える「GENBAx点検」は、単なるペーパーレス化のツールではありません。現場の負担を減らし、本来向き合うべき「安全」と「施工品質」に注力するための、強力なツールとなるようDXに貢献してまいります。

導入企業紹介
社名:株式会社新地建設工業
代表取締役:新地 裕樹
本店所在地:宮崎県都城市高城町桜木1319-5
設立:2016年
URL:https://shinchi-kk.com/
「GENBAx点検」とは
「GENBAx点検」は、建設現場で使われているあらゆる点検表をペーパーレス化し、安全点検の管理業務を効率化するサービスです。建機の始業前点検、設備、足場、作業員の健康チェックなど、現場で日常的に行われている点検業務をデジタルで管理でき、紙の点検表の回収や承認の手間をなくします。また点検結果をリアルタイムで管理・共有することで、安全管理の高度化と業務効率化を実現します。
サービス紹介:https://genbax.jp/inspection/construction/
サービス紹介動画:https://youtu.be/ZYatxLUStAY?si=U9U1B5eXLfohUmLn